この星は、壱城あずさで輝いている。
彼女自身の輝きだけでなく、星組と組子への絶大な影響力にそんな想いに駆られています。
近年では柚希礼音、紅ゆずる・・・そして壱城あずさ。
「星組の男役」というものを徹底的に追求し、時には声をあげて鼓舞し、舞台では先陣切って表現し続けているスターです。
男役を素敵に魅せる娘役はいますが、娘役を素敵に魅せる男役はほとんどいないと思います。
壱城あずさには、その本気の心意気と洗練された技術の両方があります。
下級生の頃、初めて顔と名前が一致した舞台の印象はまだあどけなく、可愛らしかったですが、弾けるようにエネルギッシュで、火傷しそうな熱さは今と変わらないような気がします。
紅ゆずるのトップスター就任に喜びを爆発させた彼女の、あれだけ人を尊敬し、信頼し、愛する姿は一生忘れられません。
そんな人に出会い、共に歩めたこと、戦えたこと、本当に嬉しくて幸せだったんだろうと思います。
それを嘘偽りなく本音で語る壱城あずさという人を、私は尊敬し、愛します。
生半可な気持ちで行動する人ではないので、退団の決意は並々ならぬものだと思います。
もちろん理性的にスッと受け入れられるものではありませんが(私自身も夕方からの虚脱感が半端ではなくて・・・)、彼女のこの決意、想いを大切にしていきます。
きっと星組の男役を全うした、いや、この公演で全うする決意なのでしょう。
ならば私ができることはいつも通り、愛と敬意を持って観劇し、応援する、楽しむことだけです。
目にもの見せてくれると信じています。
ウジウジしたり、悲しんでいたら
「はやっ!今日辞める訳じゃないし!」
と絶妙なテンポでツッコミを入れて来そうで・・・そんな壱城あずさを想像したらほんのわずかですが気持ちが落ち着きつつあります。
改めて公演日程を確認したら、12月24日が千秋楽。
クリスマスイヴの退団、卒業。
とても偶然とは思えず、運命以外の何物でもないでしょう。
宝塚の男役、星組の男役をイヴの日に極め、魅せ、全員ほの字にさせてキザに羽ばたいていく。
この星は、壱城あずさで輝いている。
仮に涙が出るとしても、それは嬉し涙になりそうです。